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恋するオルランドの邦訳について

岩手県からこんにちは!ワーカーのサブレです。今日は最近読んだ面白い本をご紹介したいと思います。

ご紹介するのは「恋するオルランド準備号」です。

皆さんはオルランド又はローランという騎士を知っていますか?彼はシャルルマーニュ王の十二勇士の一人で、フランス最古の叙事詩「ローランの歌」の主人公です。彼が主人公となる叙事詩は大きく分けて三つあり、物語の時系列順には「恋するオルランド」「狂えるオルランド」「ローランの歌」となります。

私はとあるゲームをしていてオルランドに興味を持ち、この三作を読みたいと思いました。そしてどうせなら時系列順に読もうと、恋するオルランドの邦訳を探したところ、存在しないということがわかりました。私は大きなショックを受けて日々を過ごしていましたが、ある日語学を専門に研究している方が、恋するオルランドを翻訳して自費出版しようとしていると耳にしました。恋するオルランドはかなりの文章量があり、その冒頭だけをまとめてひとまず出版されたのが、今回の「恋するオルランド準備号」です。

私は一も二もなく買い求め、ページを開きました。翻訳本を読む方はお分かりだと思いますが、訳者の方のセンスが自分と合うかどうかを事前に知ることができるのはありがたいことです。私の場合、原典に引きずられて古めかしい日本語になっていたり、ニュアンスの正確性を求めるあまり意味の通らない言葉になっていたりするようなものは苦手です。

ここからは個人の感想ですが、私は恋するオルランド準備号を読んでただただ感心し、物語に引き込まれました。文章の古めかしさは多少あるとしても、叙事詩としてちょうどいいスパイス程度で、登場する英雄達の言動を引き立てています。また、現代人にわからないようなニュアンスや固有名詞が出ると、ちょうどいいタイミングで注釈が入って解説してくれます。少なくとも私は読んでがっかりするどころか、恋するオルランドの翻訳本が出版されることがとても楽しみになりました。恋するオルランドは分冊されるそうで、上巻が6月13日に予約開始だそうです。

ご興味のある方は訳者の西川秀和先生がXに本名でアカウントを持っていらっしゃいます。そちらから詳しいページに飛べますので、是非この読書体験を共有しましょう。

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