花のオアシス~上ノ平城跡の会

箕輪町を代表する城跡で長野県史跡の一つ、『上ノ平城跡』がある地区一帯は、埋蔵文化財の包蔵地に当たり、地元南小河内区の皆さんにより「上の平城跡の会」が組織され日々、整備・保存が行われています。

夏バージョンの一本桜と高台から見る景観

上ノ平城跡というと、箕輪町の保存樹木に指定されているコヒガンザクラの一本桜が有名ですが、実はこの時期、「姫ひまわり」という「菊」に似た小振りの花が土手の斜面いっぱいに咲きます。暑さに弱いせいか日本では、あまり栽培されていない貴重なキク科ヒマワリ属の植物です。

暑さに弱いせいか日本では、あまり栽培されていない貴重なキク科ヒマワリ属の植物です。

もともと1000株を植えていた姫ひまわりでしたが多年草のため自然になくなってしまい、今では5~6年の周期での植え替えが必要になり、今年はおよそ500株が咲き誇っています。
棒をたてているのは、草取りをしたときに間違って抜いてしまわないようにするための工夫だといいます。

「上の平城跡の会」の会長、小林さん

観覧者にはありがたいことに、暑い日にもかかわらず道路端まできちんと除草してくれています。

また、取材した日には「上の平城跡の会」の登録会員50数名のうちの26人の皆さんが、朝早くから草取りに精を出されていました。

作業終了後の記念撮影

そして、姫ひまわりが咲いている土手斜面のすぐ隣、上の平城跡の一の郭(主郭)があった場所は、フッカフカの芝生に一面覆われています。
こちらも、2週間に1度くらいの頻度で当番制の芝刈りをしているそうです。

まぶしい太陽の光をいっぱい含んだ柔らかな芝生の上に寝転んでみると、緑の香りが鼻腔を突き抜けて、どこか懐かしい記憶を思い起こさせます。今年は長雨だったからか、ここにもキノコが生えています。

土の中に何か埋まっているように見える黒い物体は、モグラ除けです。
真っ青な空と緑の大地のコンビネーションが美しく夏を感じさせてくれる、ひと時。

草取りが終わり、丘の斜面が更に輝きを増し、黄色に染まる姫ひまわり。 毎年、南小河内地区では、お盆前の8月12日の朝、希望者におひとり15株ずつ無料で配布しているそうです。