所変われば品変わる?暖房器具の思い出



関東地方では、春一番が吹いたようですね。

ここ伊那谷は暖かい日もあったものの、朝晩の冷え込み具合からすると季節はまだまだ「冬」といったところでしょうか。

庭を見ると、暖かい日にうっかり咲いてしまったらしい春の野花が霜にあたっていて、ちょっぴり気の毒になりました。


「冬」といえば、欠かせない大事な家事のひとつが、暖房器具への給油。
我が家では燃料切れランプが点灯してからではなく、 定期的に家じゅうの暖房の給油をまとめて行っています。

現在の周期は、おおよそ週1~2回。
1番容量が少ない約4.4リットルタンクの石油ストーブでも、 今季は今のところ燃料切れになったことはありません。

『今年は本当に暖かいのだなぁ…』 そんなことを考えながらポンプをシュコシュコ押して給油をしていた時、ふと、以前使っていた暖房器具のことを思い出しました。

雪国、都市、伊那谷。
それぞれの土地で使っていた、そして現在使っている数々の暖房器具。

これまでの自身の“暖房遍歴”を、当時の記憶付きで思い起こしてみました。

暖房遍歴 ~ 雪国編 ~


子どもの頃、雪国の実家で使っていた記憶がある暖房が以下の4種類。

・練炭コタツ
・石油ストーブ
・石油コンロ
・FF式石油ファンヒーター

石油ストーブや石油コンロ、FF式石油ファンヒーターは現在もおなじみの暖房器具ですね。当時の石油ストーブは燃焼筒の上部が丸いドーム型になっていて、ずんぐりむっくりした形でかわいらしかったことを覚えています。

「練炭コタツ」は、現在ではあまり見かけなくなって久しい代物ではないでしょうか。

練炭コタツの記憶といえば、『かくれんぼで燃焼中の練炭が入ったコタツの中に隠れてしまい、危うく一酸化炭素中毒になりかけた(その後、ものすごく叱られた)』という、割と強烈な記憶があります。

どちらかというと、一酸化炭素中毒になりかけたことより、叱られた記憶の方が鮮明ですが…。

練炭コタツは見かけなくなりましたが、練炭自体はまだまだ現役。 携帯性や燃焼の持続性が優れていること、備蓄しやすさなどの利点が多いことから、専用の「練炭コンロ」と合わせてキャンプやアウトドア活動で使う方達も多いそう。
災害時の備えにもなりそうですね。

暖房遍歴 ~ 都市編 ~


都市部で暮らしていた頃に使っていたのは、こちらの3種類。

・エアコン
・電気ストーブ
・ガスファンヒーター

私が借りていたアパートは、どこも『石油ストーブ禁止』でした。

代わりにエアコンがついていたのですが、エアコンだけでは足元の冷えはカバーできず…。かといってコタツを置けるような広い部屋ではなかったので、小さな電気ストーブを足元に置き、つま先まで毛布をぐるぐる巻きにして耐えていたことを思い出します。

都市部で頼りになった暖房器具No.1は、なんといっても「ガスファンヒーター」。

給油の必要がないのでラクちん!
電源を入れた直後に温風が噴き出す即暖性!

床にガス栓がある昔ながらの団地に住んでいた時にしか使えませんでしたが、これは本当に良いものでした。

暖房遍歴 ~ 伊那谷編 ~


そして現在使用しているのは、以下の4種類。

・電気コタツ
・フットヒーター
・石油ファンヒーター
・石油ストーブ
・(湯たんぽ)

都市部では部屋が狭すぎて泣く泣く諦めていましたが、やはりコタツは最高ですね!
電気代も安く、冷え性の強い味方!

“冷え性の味方”といえばフットヒーターも同じく。ピンポイントで足先だけを温めてくれるうえ、省エネ省スペース設計。
今では冬場にデスクワークをする時の必須アイテムです。

今の家にはエアコンが無いので、メインの暖房はまた石油系に戻りました。

石油ストーブが使えるのは幸いでした。
静かですし、なんといっても調理に使えるのが嬉しい。

ストーブの天板が空いていると何となく『もったいない』と思ってしまうタイプなので、我が家のストーブにはナベだのヤカンだのイモだの、いつも何かしら乗っています。
(同じタイプの方、いらっしゃいますか??)

そういえば子どもの頃は苦手だった給油作業も、大人になった今は苦ではなくなりました。

便利なポンプやタンクを開発してくださったメーカーの方々に感謝ですね。

去年までは「湯たんぽ」も使っていたのですが…。ある日フタが回らなくなってしまい、以後、何をどうやってもピクリとも動かず。
こちらは残念ですがお蔵入りになっています。

どこかに『開かなくなったフタを開けるプロ』のような方がおられないかしら…。

いちばん好きな暖房器具は…


これまで約10種類の暖房器具のお世話になってきたわけですが、もし「この中でいちばん好きな暖房器具は?」と聞かれたら…

私の答えは、「石油ストーブ」。

理由は先に書いた「音が静か」、「天板で調理ができる」に加え、

・電源が不要
・どこにでも持ち運べる
・災害リスク(停電)に備えられる

…という実用性の他にも、

・直火が見えると温かく感じる
・じんわりと伝わる熱が良い
・灯油の燃える匂いで故郷の冬の光景を思い出す
・火をつけた直後の「ボッボッ」という燃焼音が、なんとなく頑張っている感じがしてかわいい

…など、個人的な好みもプラスして。
給油や燃焼芯の交換といったメンテナンスの手間はかかりますが、手がかかるところもまた魅力のひとつ。

『面倒なことや手間暇がかかることを楽しめるようになったのは、自分が“歳を重ねた”ということなのかな…?』

給油のような単純作業をしている時は、何故だかこんな風に自分と向き合う時間になったりするのでした。